「プリキュア感謝祭上映会 出張版」生コメンタリー上映 書き起こし

プリキュア感謝祭上映会 出張版」生コメンタリー上映(http://www.precure-anniv.com/20181121120029.html)に行ってきました。

 

このイベントは宮本監督と神木プロデューサーが映画を上映しながら生でコメンタリーするというイベントでした。

 

録音及びメモ取りもしていないので内容の抜け又は間違いが多々あるとはありますがご容赦ください。

またどの発言がどちらの発言だったかはうろ覚えなので基本的には明記しません。

 

 

(イベント開始)

 

(宮本監督、神木Pが入場し挨拶される。神木Pが「今回の上映でこの映画始めて見る人っていますか?」と尋ねる。何人かいたらしい。マジか。わりとすぐに上映が始まる。以下コメンタリー内容)

 

(ミラクルライト説明パート)

さっそく始まりました。今回は東映マークやペロの前にこのミラクルライトの前節が入ります。わりとバレバレですが後ろの席にプリキュア達が隠れてますね(笑)。

 

(序盤みなとみらいでの戦闘シーン)

横浜の街です。映画っぽくしたかったので割と豪華な画面にしています。みなとみらいをロケハンして、その時の順路をなぞってますね。ロケハン中にここ壊したら楽しいんじゃないかみたいな話をしていたので不審者でした(笑)。

この映画では音響にこだわっていて今かかっている音楽もシーンの空気に合わせて転調させていて切れ目が内容にしています。林先生と綿密な打ち合わせをしました。ただ音楽が無いシーンは徹底的に音楽が無いです。

観覧車を回したら楽しんじゃないかって話もロケハン中にしてました。

私ここのエキストリームルミナリオの「バシッ」っていう音好きなんですよ。当時のスタッフも苦心して作り上げたそうです。

エキストリーム・ルミナリオは序盤の作画のルミナリオと最後CGのルミナリオもあるので見比べてみてください。

ゲスト声優の山本美月さんですがディレクションで絶叫させすぎてしまったので心配になりました。御本人はホラーもされていたらしいので大丈夫と言ってくれましたが。

 

(動く歩道のシーン)

このシーンですが外の明るい所と屋根の下の暗い所でコントラストをつける表現技法をとっています。ロケハンの時になんでこんな所撮ってつのかなって思ったんですがこの為だったんですね。

 

(ミデン登場)

この戦闘シーンあたりからなんですがこのあたりから段々画面の彩度が下がっていきます。緊迫感を出すためですね。この後の公園シーンの緑の鮮やかさと対比になっています。

 

(公園のシーン)

はいここで彩度が戻りました。

ミデンの正体がカメラなんですが、お子さんたちはカメラが何かわかるのかどうかが気になって。なのでここではなちゃんが写真を撮っています。はなちゃんがデジカメでえみるが一眼レフです。

 

(OPが始まる)

尺が詰め詰めなのでOPでもストーリーを展開させていきます。

写真で子育てやらの振り返りをしています。やっぱりテレビでやってきた積み重ねを出したかったので。

いろいろな公園を混ぜ合わせた架空の公園になっています。宮本監督は写真が趣味なのですが、ロケハンの写真にもセンスがありましたね。絵コンテにも写真がそのまま貼られていました。

このボルトのカットで僕(宮本監督)の名前が出てきます。本当はど真ん中に名前がどーんって出る案もあったんですがやり過ぎなのでやめました。

 

(ミデンが出てきてプリキュアが変身する)

この映画では音響にこだわっています。ただ打撃音とかは子供が怖がって泣いてしまうので控え目にして音楽とかを中心にしています。調べによるとプリキュア映画を見に来てくれるお子様の25%が始めての映画とのことなので怖い思いをしないで帰ってほしいという気持ちがあります。

このシーンではいつもTVで見るプリキュアを感じてほしかったので、彩度の変化などのリッチな撮影処理は控えています。代わりに凝ったアクションで見せています。

ミデンの色変化はだいたいみんなピンクだったので区別できるようにするのが大変でした(笑)。こういうミラクルとマジカルみたいな変わり種はわかりやすいのですが。でもわりと区別できてると思います。

 

(ボルト)

この映画はわりとシリアスなシーンが多いのでこんな感じでギャグシーンも意識的に入れています。

さあやのボルト発言は天然なのか、ボルトであって欲しいという願望なのかTVシリーズの監督とも話し合いました。ボルトであって欲しいというのはあんまりなので結局素っぽい演技になりました。


(ミデンから逃げ延びる)

ミデンがプリキュアのものまねをするセリフはまずご本人のプリキュア達にセリフを喋ってもらって宮野真守さんに真似してもらいました。宮野さんが本気だして笑わせてくるのでアフレコが全然進みませんでしたね(笑)。

 

(ミデンの城)

ミデンは表情ではなくアクトで感情を見せるキャラにしました。

最初この城の中はオレンジの照明でクリスタルも青じゃなくて緑なんですね。後のシーンで変わっているので注目していてください。

 

(東屋)

このシーンも明るい外と暗い中の演出にしています。目のハイライトまで暗くすると貼り付けたみたいになってしまうのでハイライトだけグローで光らせてます。

 

(迷子探し)

この映画唯一のハリー人間体です。

 

(さあやが山本美月に助けを求めるシーン)

ここは「しっかりしようとしている子供」を表現しようとしました。

 

(二人を連れてきて疲労困憊のはな)

逃げる子供を追いかけてへとへとのはなちゃんです。子育てがテーマのプリキュアなのでここで嘘はつけないなと思ったので本気で描きました。

脚本家さんには作品を楽しんでもらう人を不快にさせてはいけないと辛いシーンは書かない人と、後々の開放される瞬間の為の貯めとして一時下げる脚本家さんがいます。今回は後者を意識して作品を作りました。

ここの絵コンテは描いていてはなちゃんの気持ちに引きづられて中々描けませんでした。

神木P「このシーンの絵コンテは最後に着手されたんすよね」

宮本監督「いえ、描くのがつらくて中々描けなかっただけでわりと早めに着手はしていました」

 

(「プリキュアって言っても普通の中学生なの!」)

このセリフは尺の都合でカットも考えたのですが、どうしても言わせたかったので残しました。鷲尾さんにも西尾監督にも残してほしいと言われました。普通の中学生や普通の高校生だったりするのがプリキュアにとって大事な所ですよね。

 

(ミデンが再び現れてからほのかが復活するまでのシーン。このあたり普通に映画観て泣いていたのであまりコメンタリーを聞けてないです……)

ゆかなさんは「なぎさとの記憶を自分は覚えているのにほのかは忘れていてその乖離が演じていてつらかったです」と言っていました。

このシーンは一発OKで録られていています。ほのかの声がかすれていて普通はあまりここまでかすれさせないのですが、通しました。

 

(デュアルオーロラウェーブ)

当時の原画に現在の撮影処理を行っています。今風の撮影効果と懐かしい絵柄を合わせています。

 

(立ち上がるはな)

爪で土をかいてくださいって作画の人にお願いしました。

ここのはなちゃんは膝ガクガクでホントに立ち上がれない状況なんですね。

鷲尾さんにこのシーンが一番好きと言っていただきました。

子供を信じて言葉ではない部分で伝えるような演出にしました。

 

(ミデンとの戦闘シーン。号泣していたのでほぼ何も覚えていません……)

最初の空っぽだったミデンは強かったのですが、プリキュア達の思い出を吸収して考えるようになってしまったミデンはプリキュアに圧倒されます。

 

(ミデンに思い出を吸われていく一般人)

このモブの中にゴープリの一条らんこ先輩がいます! 気づきましたか?

 

(ミデンの城)

ここでは場面転換もあり、また作画からCGへの切り替えもあるので始め彩度を低くしています。ステンドグラス城全体が見えるようになった頃にまた彩度が戻ります。

死後の世界というわけではないのですが、生気の無さを出したくて有機物は一切出していません。CGも直線的な物体の方が得意ですし。

ここの爆発ですが全部白で作っています。煙の色は燃えるものが無いと白くなるんですね。ガソリン爆発とかだと真っ黒になります。ステンドグラス城では燃えるものが無いので一貫して煙は白です。ただこの後一箇所だけ煙が黒いシーンが出てきます。

 

(プリアラゾーン)

ここのアニマルスイーツはTV本編の変身バンクのCGもをちょっと手直ししてそのまま使っています。コスパの良い背景です。

キャラの目ですが常に芝居をさせています。一点を見ていても少しずつ動くようにディレクションしています。

 

(まほプリゾーン)

まほプリの人達の頭の中、モフルンばっかりですね(笑)。この冷凍みかんボタンですが「押すなよ!」って書いていたのですが、お子さんがどこまでお約束をわかってくれるかわからなかったので最終的に字は消しました。

TVスタッフからマシェリとアムールはバディのプリキュアだと聞いていたので、ブラック・ホワイトと並べるのはどうしてもやりたかったことです。

プレスコ(声を録ってから映像を作る作り方)なのでかなり早く声を録っているのでマシェリとアムールがプリキュアとして演じたのはこの映画が初です。もちろん佐藤監督や座古監督にも立ち会ってもらいました。

後でアフレコの時に録り直したりするのですがマシェリとアムールはやっぱり多かったですね。

 

(プリキュアのステンドグラスが積まれた部屋で古いカメラに気づく)

このシーンは先程も言ったように水晶や光が青くなっています。ミデンの心境とリンクしています。

またキャラにも青い光をかけているのですがやりすぎると画面が暗くなってしまうので肌色部分だけ青光を抑えて暗くなりすぎないようにしています。

アフレコだとセリフのタイミングが制限されるのですがプレスコだとかなり自由が聞きます。この「ミデンFマーークⅡ!!!!!!」というセリフも本泉さんのアドリブでここまでハイテンションにされました。

 

(「誰にも使われることなく暗い箱の中で一生を終えた僕の気持ちがお前たちにわかるか!?」)

ここにわかる女(薬師寺)がいます(笑)。

 

ミデンの正体がカメラなので物には感情移入出来ないのではないかという話になったのでてるてる坊主の姿を作りました。

宮「僕はカメラに感情移入出来るから要らないって言ったんですけどね。誰にも使われなかったカメラなんて泣けるじゃないですか」

神「宮本さんだけですよ」


ふたりはとHUGっと半々ぐらいの映画になる予定もありましたが、HUGっとの映画にしたかったのでここでミデンの悲しみに気づくはなちゃんを見せました。テレビ本編でもはなちゃんはただ明るいだけじゃなく、そういう過去がある子なので人の悲しみに寄り添うようなシーンにしました。

 

(戦闘シーン)

この戦闘シーンが映像としてこの映画で一番やりたかった所で、ビームの光の反射光で色合変わるプリキュアや、カメラが回り込むように一周するシーンなどCGの強みを活かしました。

 

(プリキュア全滅)

神「わたしがこの映画でやりたかったことがプリキュア全滅なんですよ。で、プリキュアを全滅させる程の驚異ってなんだって言ったらやっぱり同じプリキュアだろうということで、プリキュアの力を吸収する敵にしました」

 

(落ちていくエール)

こういう幾何的でよくわからない空間はCGの得意分野です。キャラは広角で映したかったのですが、広角でパンすると酔ってしますので広角のキャラと望遠の背景をそれぞれレンダリングして合成しています。

真っ暗なところに落ちていくエールは作っていて怖かったですね。

 

(プリキュア応援)

第4の壁を破ると冷めてしまう恐れがあるのですが、精一杯応援してほしかったのであえてやりました。このシーンのコンテはかなり工夫しました。

これまでプリキュアを応援してくれた皆さんへの感謝の気持ちを込めて、「フレフレプリキュア!」のコールは何度も入れました。

 

(ミラクルライト)

みなさんもご一緒に!

(会場の全員で「フレ! フレ! プリキュア!」コール)

皆様の応援のおかげで復活いたしました。応援が無かったらこのままプリキュアが全滅していたので大変な所でしたよ。

 

(オールスターズ戦闘シーン)

ここからやりたい放題シーンが始まります。この黒いミデンはミデンの悪い部分の現れで倒すと浄化されるのですが、まあ容赦が無いですね(笑)。

この黒いミデンが煙に見えるシーンですがパーティクルではなく一体一体全部モブミデンです。モブミデンが270万体配置されています。

初期の頃のCGモデルはやはり技術の進歩もあるので顔のアップは作画に変更しています。ただスマイル以降は全部CGのです。

このシーンの音楽は非常に凝って作ったので、先に絵コンテを出して最初に完パケにしてそこから林先生に音楽を作って貰いました。本当は良くないのですが電話で直に相談しながら作ってもらいました。

 

(プリアラ)

プリキュア達が喋るシーンは短いのですが、声優や脚本やアニメーターがそれこそその一瞬に魂を込める感じで作りました。

 

(まほプリ)

またTVの必殺技をCGので再現するにはどうすればいいか考えて作りました。

 

(ゴープリ)

フローラは樹にひっかからないのか聞かれたのですが今回はやめました(笑)

 

(ハピチャ)

お気に入りのシーンです。

(ラブリービーム)

先程話した黒い煙です。黒いということはミデンが燃えてますね(笑)。

 

(ドキプリ)

短いシーンですが1カットで回し続けるので労力がかかっています。

 

(スマプリ)

自分がはじめてディレクションしたのがスマプリのEDでした。ED映像で小芝居をしたのはこの映画に繋げたかったからです。CGでダンスだけじゃなくて芝居をつけて物語を見せられるってことを示したくて。

 

(スイプリ)

このメロディは途中までCGでここから作画です。

 

(地面を削りながら塔を駆け上がるミデン)

キャラとエフェクトを分けたら軽くなったのですが、いっしょに作ってしまったのでレンダリングに1フレーム26時間かかりました。

 

(フレプリ)

ラッキークローバーグランドフィナーレはやりたいねって最初から話していました。

 

(5)

イケメンドリーム。

 

(S☆S)

榎本温子さんがここから初代に変わっていくシーンが一番心にきたそうです。

 

(初代)

エキストリーム・ルミナリオ2回目です。作画とCGでの違いを見ていただけると思います。

音楽はシーンが切り替わる前にもう次の世代に変わっていて食い気味になるようになっています。

 

(雨の中、エールとミデン)

他のシーンは横フレアで横方向に光エフェクトが入っているのですが、このシーンはミデンの心情表現で縦にエフェクトを入れています。

またここでは肌色も暗くしてしまっています。

雨も痛いような雨だったり、息を白くして寒さを表現しています。

ミデンの言葉に対応してTVの本編のシーンを地面に映しています。例えばいじめられていたはなちゃんのカット等です。

HUGっとの映画なのではなちゃんにハグしてほしくて、このシーンから逆算して映画を作りました。

はなちゃんお優しさに絆されたミデンの心情を表してオレンジの光が入ってきます。縦のフレア光も横になります。

 

ここもプレスコだったので先に録っていたのですが、アフレコで録り直しています。はなちゃんのミデンへの思いが更に乗せられたと思います。

 

(塔の屋上)

見てくれた人が一番親しんでくれた姿を見てほしかったのであえて映画限定フォームはやめました。

今のPCをだと主役級キャラのモデルを55体同時に並べることはできないので数人ずつレンダリングしてから合成しています。

全員分髪揺れさせてくれと言ったら引かれましたが、屋上感を出したかったので揺らしました。この後縦揺れもするので倍の110体分の髪揺れを作ることになりました。

 

(プリキュア レリーズシャイニングメモリー)

それぞれのプリキュアで3カットだけ思い出のシーンを映しています。本当はもっと出したかったのですが映画の尺の都合もあり。でも見てくれた皆さんがそれぞれ思い出してくれれば無限大です。

ディストーションかけ過ぎじゃないかって突っ込まれたのですが、クリスタルの城が粒子になって消えていく幻想的シーンなのでそのままです。

自分はよくディストーションをかける人なのですが、中でもこのシーンは強めにかけました。

 

 (プリキュア全員が公園で遊んでいるシーン)

このシーンは本当に嬉しい気持ちだったので絵コンテもすぐ描けました。1日かからなかったと思います。

ここからエンドクレジットを流す予定もあったのですが、やねて良かったですね。まあこの後のエンディングが大変なことになるのですが(笑)。

この写真ですがアフターエフェクトで色収差のフィルターを実装して実際の写真みたいな写りを再現しました。

 

(ED)

普通エンドクレジットは6秒1枚で早いと言われるのですが、4秒1枚です。プリキュアもたくさんいますし、アニメーターの数も多いですからね。

ここですがTV版とは違う映像になっています。円盤が出たら見比べてみるのもいいではないでしょうか。

 

(映画終わり)

最後まで淡々と喋ってしまいましたね。実際私と神木プロデューサーが仕事の話をしていると大体こんな感じです。

本日のイベントはプリキュア感謝祭での反響を受けて開かれました。また今日の反響(舞台脇の)

それでは皆様、上映はまだまだ続きますのでこれからもよろしくお願いいたします! こんなに裏話を聞いたので皆様もスタッフの一員です! 草の根での宣伝ご協力よろしくお願いいたします!

 

(イベントおわり)

 

 

なんか思い出そうとすると技術の話ばっかりになってしまいました。泣くシーンの解説は泣いて頭に入ってこないからしょうがないですね。

めちゃくちゃ良いイベントだったのでまたやってほしいです。でも書き起こしがしんどいのでどこかに収録してほしいです。